組合ポスター

《アルカディア》について

この絵には「自然と調和した生活の中での幸せ」が描かれています。手前に5匹の子羊,川を挟んだ奥に二匹の親羊がいますが,親子をあえて離したのは,子どもは「社会の宝」であり,いずれは親から独立していくからです。その子らの成長への願いを,中景にそびえる5本のポプラの樹に託しました。親たちは気球の動きを気に留めています。親の責務として風(情勢)を読もうとしているのです。今ほどその努力が求められている時代はないでしょう。二度と悲惨な過ちを繰り返さないために。一見,のどかに見える情景ですが,平和な社会への強い願いが込められています。(泉谷淑夫)

岡山大学大学院教育学研究科 泉谷淑夫
《アルカディア》2015